掛川市久保の家 - 有限会社エフ・ベース

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掛川市久保の家


こんにちは!エフ・ベースの片川です

今回は、静岡県掛川市に完成した「掛川市久保の家」をご紹介します。

【施工事例】性能とデザインを両立する木の家に掲載しています

家づくりのきっかけと、理想を叶える出会い
ご夫妻が家づくりを考え始めたのは、お子様のご誕生がきっかけでした。マンション住まいから、ご実家の敷地での新築をご決断されました。
家づくりを進める中で、ご主人は「性能重視」、奥様は「デザイン重視」とご希望が分かれており、ハウスメーカーや工務店を巡ってもなかなか両立できる会社に出会えず難航していたそうです。そんな中、エフ・ベースの家づくりにご共感いただき、「ここなら性能もデザインも兼ね備えた家ができる!」と設計をお任せいただきました。

敷地環境を読み解くパッシブデザイン

敷地の北側には太陽光パネルを設置した隣家があり、南側は公道に面しているという条件でした。そこで、周辺環境と自然(太陽のよる日射取得、日射遮蔽、通風)の力を最大限に活かす工夫を取り入れています。

既存の風景を継承する
今回の計画では、元々あった豊かな敷地環境をいかに引き継ぐかも大切なテーマでした。敷地にあった樹木をできる限り残すことで、新築ながらもどこか懐かしく、落ち着きのある佇まいを目指しました。どうしても家の配置に掛かってしまう植栽については、職人の手によって丁寧に根巻きを行い、敷地内の別の場所へ移植。これまでこの土地を見守ってきた木々が、新しい暮らしの中でも家族の歴史を刻んでいくよう配慮しています。

北側への配慮: 隣家の日当たりや太陽光パネルへの日射を妨げないよう、建物の配置に距離を設け、北側に向かって下がる「大屋根」を採用しました。

南側のプライバシー確保、 公道側には木板張りのフェンスや小屋を設けることで、外からの視線を優しく遮りつつ、南の窓からお庭の景色をゆったりと楽しめるように設計しています。

地産地消の自然な外構、 駐車場からの高低差にはコンクリート擁壁を使わず、地元の石を野積みし、駐車場には小笠山の砂利を使用するなど、自然素材と地域材にこだわりました。

家族が繋がる、こだわりの間取りと動線
日々の暮らしやすさを追求し、4つのコンセプトを軸にプランニングしました。

・明るく広がりのあるLDK、 キッチンを中心に、ダイニング、リビング、お庭、そして小上がりのヌックまで、空間全体が見渡せる配置です。

・スムーズな家事、回遊動線、 キッチン横にパントリーを設け、脱衣室(室内物干しスペース)からファミリークロークへの動線を短くしました。

・行き止まりのない「ぐるっと回れる」動線で、家事のストレスを軽減します。

・適材適所の部屋配置、1階の日当たりの良い南面に奥様の寝室を配置し、2階にはご主人の寝室と、将来2部屋に分割できる子供部屋を設けました。


家づくりにおいて、家族の命を守る「耐震性」は最も妥協できないポイントです、家の耐震、構造許容応力度計算による耐震等級3が必要なのか?

最高ランクである「耐震等級3」を取得していますが、本当に大切なのはその「計算のプロセス」にあります。

実は、日本の木造住宅の多くは、厳密な構造計算をせずに「壁の量(長さ)を測るだけの簡易計算(壁量計算)」で済まされているのが実情です。しかし、エフ・ベースでは全棟で、緻密な検証を行う「許容応力度計算(構造計算)」を実施しています。

「壁量計算」と「許容応力度計算」の決定的な違い

壁量計算(簡易計算):単に「地震に対抗する壁がどれだけあるか」を面積に対して計算するだけです。柱や梁の太さ、基礎の強度、床の強さは経験則による仕様規定で決められます。

許容応力度計算(詳細計算):柱一本一本、梁一丁一丁にかかる荷重や、引き抜きの力、床のねじれ(水平構面)、さらには基礎に伝わる複雑な応力まで、建物を3次元の立体として捉え、すべての部材が破壊されないか(許容応力度以下に収まるか)を構造計算にて数値で検証します。

開放的な大空間・大屋根だからこそ構造計算が必須
掛川市久保の家は、ダイナミックな「大屋根」の構造を持ち、1階LDKは柱や間仕切りのない、キッチンからヌックまで見渡せる開放的な「大空間」となっています。さらに、この強固な骨組みを構成する柱や梁などの構造材には、地元・静岡県で優良な地域材である「天竜杉」を採用しています。遠くから運ばれてくる外材に頼らず、輸送にかかるCO2を削減しながら地域の山を守る「地域材の地産地消」は、地域社会への貢献になります。
このような魅力的な間取りは、簡易的な壁量計算だけで建ててしまうと、「壁の長さは足りていても、床(水平構面)が弱くて地震時に家がねじれる」「特定の梁に負荷が集中してたわむ」といった、目に見えない構造の弱点が生まれるリスクがあります。
許容応力度計算を行うことで、「天竜杉の強度を活かし、この大空間を支えるためには、どこの梁をどれだけ太くすべきか」「床の剛性をどう高めるか」が完全に可視化され、開放的なデザインと、震度7の巨大地震が来てもびくともしない圧倒的な安全性を100%両立させることができるのです。

【意匠と断熱の両立】登り梁×Jパネル現し天井を可能にする「屋根外張り断熱」

掛川市久保の家のLDKに足を踏み入れると、まず目を奪われるのが、ダイナミックに架かる「登り梁」と、美しい木目が広がる野地板、構造材から野地板に至るまで、地域材である「天竜杉」をそのまま見せた、開放感あふれる「意匠の現し(あらわし)天井」です(野地板には天竜杉の3層クロスラミパネルである『Jパネル』を採用しています)。

実は、この「構造や野地板を室内側に見せるデザイン」と「最高峰の断熱性能(HEAT20 G3)」を両立させるのは、建築技術的に非常に難易度が高いとされています。

一般的な「天井断熱」の限界
一般的な住宅では、天井のすぐ上に断熱材を敷き詰める「天井断熱」が主流です。この方法だと、コストは抑えられますが、断熱材によって天竜杉の美しい梁や野地板がすべて隠れてしまうため、せっかくの美しい木構造を室内に見せることができません。

超高断熱と美しさを結ぶ「屋根外張り(付加)断熱」のメカニズム
そこで掛川市久保の家では、構造体の外側(屋根のすぐ下)で家全体を包み込む「屋根外張り断熱(付加断熱)」を採用しました。
室内に美しい登り梁とJパネルを現しにした状態で、そのJパネルの上(外側)に、非常に分厚い高性能な断熱材を隙間なく施工、熱橋を無くしています。これにより、屋根からの熱をシャットアウトしています。

「地域材の地産地消」による優れた木質素材のポテンシャルと、外張り断熱の精密な施工技術が組み合わさることで、「美しい木の意匠」と「UA値0.21という超ハイスペックな温熱環境」を完全両立させているのです。

温熱性能、数値が証明する本物の心地よさ


頑強な天竜杉の骨組み(構造)と完璧な断熱工法の上に、掛川市という温暖な地域特性を活かした、次世代基準の温熱環境を構築しています。

【HEAT20 G3クリア】最高水準の断熱性能(UA値0.21)
断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)は「0.21W/㎡・K」。これは国の定める断熱等級7(最高等級)を満たすだけでなく、民間基準である「HEAT20」の最高水準「G3」をもクリアする数値です、外気温の影響を極限まで受けない空間を作り出しています。

【超高気密】実測C値0.1がもたらす完璧な計画換気
家の隙間の面積を示すC値(相当隙間面積)は、気密測定の実測で「0.1㎠/㎡」という超高気密を出しました。一般的な高気密住宅(C値1.0程度)を遥かに凌ぐこの数値により、隙間風による熱損失や壁体内結露をシャットアウト。

第3種換気による「計画換気」が設計図通りに100%機能し、常にクリーンな空気が家中を循環します。

設計から施工まで「第三者」が証明する住宅性能評価、建設性能評価


高いスペックが「図面上の絵に描いた餅」で終わらないよう、国の登録を受けた第三者機関による客観的な評価を取り入れています。図面段階で性能を審査する「設計住宅性能評価」だけでなく、施工中に現場で厳しくチェックを受ける「建設住宅性能評価」も取得しています。

建設住宅性能評価まで取得する「本当のメリット」
コストや手間の問題から「設計評価」だけで終わらせるケースも少なくありませんが、「建設評価」まで取得することには、お施主様にとって非常に大きな意味があります。

プロの第三者による現場検査(確実な施工品質の担保):基礎の配筋、構造躯体の組み立て、断熱材の施工時など、家が完成してからでは隠れて見えなくなってしまう最も重要な工程において、第三者の専門検査員が現場に足を運びます。「図面通りに、現場で正しく施工されているか」を厳しくチェックするため、手抜き工事や施工不良を未然に防ぎ、施工品質を担保します。

性能を最大化する空調

この圧倒的な躯体性能(UA値0.21・C値0.1)と、それを確実に施工したから、汎用エアコンのみで稼働する効率的な空調計画と、素材の力を活かした室内環境のコントロールが真価を発揮します。

床下エアコンと2階ホールエアコンによる空調計画
冬は1階の「床下エアコン」から基礎断熱された床下空間全体を暖め、無垢床の足元のガラリから陽だまりのような暖かさを提供します。夏は2階の「ホールエアコン」から冷気を自然に降下させ、家中の温度・湿度を均一に保ちます。過剰な専用設備に頼らず、市販の壁掛けエアコンで済むため、将来の機器更新コスト(メンテナンス費用)も最小限に抑えられます。

創エネで光熱費を抑える7KW太陽光パネル
大屋根の形状を活かして7KWの大容量太陽光パネル、パワコン5.5KWを設置、極めて少ない冷暖房負荷(消費電力)に対して十分な創エネを行うため、日々の光熱費を劇的に削減します。

光熱費から考える「断熱性能」の重要性

実際の年間光熱費実績(2025年8月〜2025年12月実績)

年間電気使用料金   太陽光発電 売電金額
102,160円         127,898円

年間収支 127,898 – 102,160 = 25,738

年間 25,738円分、売電収入が上回る結果に太陽光発電を最大限に活用し、電気購入量に対して売電額が大きく貢献しています。


外壁には100%自然素材で透湿性に優れた「スーパー白洲そとん壁」

一般的な外壁サイディングや塗装は、10〜15年ごとに100万円以上の費用をかけて塗り替えや目地(コーキング)の打ち替えが必要です。
しかし、100%自然素材のそとん壁は、紫外線による劣化や色あせがほぼありません。「将来の塗り替えコストが基本的にかからない」ため、初期費用は少し高くても、15年、20年と住み続けることでトータルの出費をぐっと抑えられます。

職人の「腕」が仕上がりを左右する 完全なオーダーメイドの塗り壁なので、施工する職人の技術がとても重要になります。

だからこそ、エフ・ベースでは、シラス壁の特性を熟知した熟練の左官職人とチームを組み、一棟一棟ていねいに仕上げています。

経年変化とともに経年変化とともにどんどんお家に馴染み、味わい深い表情を見せてくれます。30年経っても色あせず、むしろアンティークのような美しさを醸し出すのは、自然素材ならではの特権です。

内装の壁・天井には「湯布院珪藻土」を採用。これらは単なるデザインではなく、建材自体が呼吸することで室内の湿度をコントロールする「調湿機能」を持っています。高気密住宅の弱点になりがちな過乾燥や湿気だまりを、自然の力でアシストする理にかなった素材です。

天然素材の珪藻土、湯布珪藻土|湿度をコントロールする珪藻土

暮らしを彩るこだわりのキッチン

キッチンから庭、リビング、ヌックを見渡す事ができ、キッチンとダイニングテーブルを横付けにしているので家事導線が楽になります。
LDKの主役となるキッチンは、オークの幅ハギ材を天板に使用したオリジナル造作キッチンを採用しました、オークの天板は使い込みほど味が出てきます、ミーレ(Miele)製フロントオープン食洗機もスッキリと組み込まれ、背面の収納、ダイニングテーブルも同じ素材で統一、木の質感を楽しみながらも、こだわりの空間に仕上がっています。

内と外を繋ぐ「窓辺のヌック

大空間のリビング(動)の中に、家族が個の本質に戻れる「静」の居場所をさせることでした。その中心的な役割を果たすのが、この窓辺に設けた「ヌック」です。

1. 空間の分節と「こもり感」の創出

リビングのベースとなる明るいオークのフローリングに対し、ヌックの造作家具(本棚・背板)にはトーンを落としたラワン材に塗装をし、視覚的に空間を「分節」しています。さらに、天井高をあえて抑え、左右と頭上を格子状の本棚で囲うことで、包み込まれるような心理的安心感(おもり感)を生み出しました。

2. 「床高300mm」がもたらす、目線のコントロールと利便性

フローリングから300mm床上げした小上がりスタイルを採用。これは、ここに「床座(ゴロゴロと寝転ぶ)」で過ごす人と、リビングを「椅子座」や「立位」で過ごす家族との目線の高さを近づけ、異なるアクティビティをしていながらも気配を共有できる絶妙な高さです。また、300mmという設定は、腰を掛けるベンチとしても立ち上がりやすく、下部の引き出し収納の容量も十分に確保できます

3. 「幅2730mm」のモジュールが生む、多機能な居心地

日本の伝統的なモジュールである1.5間(幅2730mm)のゆとりあるスパンを確保しました、この十分な横幅があることで、大人が2人並んで足を伸ばして寝転ぶことも、一人が本を読み、もう一人が外を眺めるというような「同じ空間での別々の過ごし方」もストレスなく成立します。

4. パッシブな視線とアクティブな景観の融合(ピクチャーウィンドウ)

開口部にはあえて開閉できないフィックス(固定)の大型木製サッシを採用し、庭の植栽を絵画のように切り取る「ピクチャーウィンドウ」としました。窓枠(木枠)の奥行きを深く取ることで、外の風景と室内の境界を曖昧にし、実際の床面積以上の奥行き感を視覚的にもたらしています。

深みのあるブルーのテキスタイルと、本棚のラワン合板塗装仕上げ、真鍮製アームライトの繊細なラインが、木質感あふれる空間の適度なアクセントとなりました

断熱等級7の住まいと、自然を感じる小屋

高断熱・高気密の住まいは、一年を通して快適な温度を保ち、光熱費も抑えてくれます。

しかし、家づくりの楽しさは「快適さ」だけではありません。

例えば、断熱等級7の高性能な住まいの隣に、小さな断熱のない小屋をつくる。

・春や秋には窓を開け放ち、風を感じながら趣味に没頭する。
・雨音を聞きながら読書をする。
・DIYやガーデニングの道具を並べ、自分だけの秘密基地として使う。

性能を追求した住まいがあるからこそ、自然の暑さや寒さ、風や光を身近に感じられる小屋の魅力がより際立ちます。

「暮らしの快適性」と「遊び心」。

その両方を叶えられるのが、高性能住宅と小屋のある暮らしです。

只今、絶賛施工中!!

乞うご期待!!

家の性能

耐震等級3 許容応力度計算

断熱等級7 UA値 0.21(W/㎡K) HEAT20 G3

長期優良住宅

住宅設計性能評価取得 建設性能評価取得

BELS認定取得

ゼロネルギーハウス

気密測定 C値0.1

静岡県優良木材 

樹脂サッシ APW430(トリプルガラス) YKKAP

木製建具 ノルド(トリプルガラス)

床下エアコン 

オリジナルキッチン

内装 壁:由布珪藻土

外壁:スーパー白洲そとん壁W

文章:片川禎登

敷地を読み解き、愛着のわく、普通で、無理や無駄のない自然体で暮らせる家がよいと思っています。