最初はわからなかった現場用語1
エフベースの鈴木徹也です。現場監督をしています。
職人さんや、業者さんと話していて最初は良く分からなかった現場用語を紹介します。
・どぶづけ、どぶ付け
揚げたてのフライを器にいっぱいのタレにどぶんとつけて、、、という感じがしますが、、、全然違います。
この言葉は金属製品に耐食性を持たせるための「溶融亜鉛メッキ」のことです。
耐久性があるため、屋外の電柱や鉄製階段など金属製品にも使われています。
エフ・ベースではバルコニーを支える片持ち梁に標準でつかっています。
・バクバク
材木屋さんとの話のなかで使われて、良く分からなかったオノマトペ。
「この杉、バクバクじゃん!!」 、、、初めて聞いたとき、話の流れや雰囲気でも意味がわからなかったです。
年輪巾が大きい様子をバクバクだ、といいます。
日本の南の地方など暖かく良い環境で育つ木は、1年で大きく太くなるため年輪巾が大きくなります。
夏目(早材)が占める部分が大きいため、木材強度としては弱くなります。
逆に年輪巾が狭い木材は強度は強いです。エフベースでは構造材に天竜杉をつかっています。
年輪巾が狭く、他地方の杉より強いです。
バクバク食べて太っているからバクバク? 言葉の由来はまったくわからないです。
・ショショる
大工さんに言われて、面白い響きだったので思わず笑ってしまいました。
雨水が染み込む様子をあらわす言葉です。
上棟時にルーフィングを野地合板に貼っているときに「ちゃんと紙を1寸くらい出しとかんとショショるでね!」と言われました。
野地合板の端とルーフィングの端をそろえてしまうと、ルーフィングを覆っていても、雨水が端から裏にまわって野地合板に染み込んでしまいます。(毛細管現象で伝っていきます)
端で3㎝くらいルーフィングはせり出して貼っておくと、雨水が合板に触れることなく落ちていきます。
工事中、屋根材を葺くまではルーフィングだけになってしまうので、「ショショらない」ようにしておく施工が大事です。
・トントン
年配の大工さんが使ってそうな言葉です。「野地貼ったな。よーしじゃ、トントン敷くか」という感じで使います。
屋根の防水紙であるルーフィングのことを「トントン」と呼ぶ人がいます。
昔、広く普及したルーフィングの商品名がトントンだったため、その言葉だけを覚えてしまっていて、ルーフィングのことをどの商品も区別なくトントンと呼んでしまう感じですね。
たとえば、「宅急便」もそうですね。
ヤマト以外の宅配便でも宅急便と言ってしまうあれと同じです。
ちなみにエフ・ベースでは、ルーフィングにはデュポン社のタイベックルーフライナーを使用しています。
・ズブズブ
雨が降ってどろどろの地面の上を歩くと、靴が食い込んでいく様子。。。。といった感じで使われるオノマトペですが、木造建築では別の意味があります。
木材がまだ乾燥して無く、水分を多く含んでいる状態。
山で成長中の木は多くの水分を持っていますが、伐採後に様々な工程を経て木材製品となって工事現場に届きます。
しっかりと乾燥している木材は、その後に乾いて曲がったり反ったり収縮したりが少なくなりますので、基本的には乾いている木材を建築に使用します。
ズブズブな木は、ビスや釘を打っただけでその周りから絞られるように水が染み出てきます。
生木(なまき)とも言います。さらに組み合わせて「ズブ生」とも言います。なんだか卑猥ですね。
・ドンづけ
木材と木材を接合する形の種類。構造材ならば、通常はなんらかの仕口をつくって組み合わせますが、ドンづけでは直角に切った口をそのまま相手材へつける形。
「ドン」という音が様子をあらわしているのか?確かに「カッチャン」とかではない感じがします。