屋根の形。

屋根には多くの種類があり、家全体の印象や見た目だけでなく、費用の問題、その土地ならではの気候や景観に合うかどうかで選ぶ必要があると考えます。
そこで、代表的な7つの屋根の形状やその特長についてご紹介します。

 

 


片流れ屋根

文字通り、一方方向へ流れるように作られた屋根です。
屋根はいくつかの面で構成されることがほとんどですが(陸屋根を除く)、一面で構成される形状です。
文字通り、雨水なども片側に流れます。
方角がよければ、太陽光を利用した機器、発電パネルや温水器などを多く設置し、効率よく運用できます。
形状が単純でありながらも見た目にインパクトがあるため、家のアクセントとなってくれます。
しかしながら、雨水や屋根に積もった雪が一方向に集中して流れ落ちてしまいますので、流れ方向の隣家への配慮が求められます。

 


切妻屋根(きりづまやね)

切妻屋根とは、家の中心部を頂点に、屋根が左右に下るものです。
よく言われる「三角屋根」がこの形です。「ウチはこの屋根」という方も多いのではないでしょうか。
シンプルで施工もしやすく、最も普及している形です。
和風でも、洋風でも似合うこともよく見かける原因でしょう。
切妻屋根は、雨を均等に落としてくれますが、両面に雨どいが必要となります。
ごくごく一般的な屋根の形ですので、個性をつけづらくはありますが、和風の瓦、洋風の瓦、金属屋根などあらゆる素材とマッチします。
形状が複雑でない分、屋根のメンテナンス時に手間隙がかからずコストを抑制できるというメリットがあります。

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根は、屋根の面が4つになります。
屋根の頂点など面と面が合わさる部分を「棟」と呼びます。
その棟を四方から中央に寄せているから寄棟です。
こちらもよく見かける形です。
構造的に頑丈で、切り妻と屋根の総面積が同じでも、各面の面積が小さくなる(切り妻は2面、寄棟は4面)ため、風圧に対しても強いのが特徴です。
和風の家に用いれば重厚感を与えてくれますし、金属屋根で仕上げれば軽やかでデザイン性の高いイメージが生まれます。

 

 


方形屋根(ほうぎょうやね)

家の中心をてっぺんに、4方向に落ちるような形状をしているのが方形屋根です。
正方形の建物に多い屋根で、形はピラミッド型をしています。
屋根の全ての面が同じ形になるのが特徴で、寺院などに見られる建物が六角形、八角形の屋根も方形と呼びます。
先の寄棟屋根との違いは屋根の頂点の数で、寄棟屋根は2点、この方形屋根は1点です。
正方形に近い床面積の家に使われるもので、重みのかかり具合も安定していますので、風雨に強いことが特徴です。
どのような素材ともしっくりくる屋根の形です。


陸屋根(りくやね/ろくやね)

鉄筋コンクリート造のマンションなどでよく見られる、水平の屋根です。
勾配(傾斜)がなく、平坦な形状から陸屋根と呼ばれます。
形状から分かるとおり、屋上を設けるのに最適な屋根の形です。
排水性が悪いので、定期的に防水工事をしてあげないと雨漏りに繋がりますので、しっかりメンテナンスしてあげてください。
防水の面で一般的な木造の家では採用しづらい形状の屋根です。

6.招き屋根
この屋根の形状は、高い部分にある切妻屋根の片面が短くなっています。
その形が招き猫の前足に似ているので招き屋根です。
棟の位置(屋根の頂点部)をずらすことでスペースを生み、内部はロフトに、外部からは壁と窓が印象的な家にするために用いられます。
棟の位置は片側に寄っており、片面の屋根が短い形状です。
これもまた片流れのように方角がよければ、太陽光を利用した機器を数多く運用できるメリットがあります。

 

 

 

差しかけ屋根

切り妻や招き屋根の頂点の位置をずらして段差を付け、合わせたような形状になります。
片流れのように一面しかない下屋(一階部分の屋根)も差し掛けと呼ばれることがあります。
段差をつけることでスペースを生み、招き屋根同様、内部はロフトに、外部からは壁と窓が印象的な家にするために用いられます。
モダンな印象が強い形状ですので、洋風の瓦や金属屋根との相性がよい形です。

 

 

 


 

入母屋屋根(いりもややね)

ベーシックな4面構成の寄棟屋根の上部に、2面構成の切妻屋根を乗せているのが「入母屋屋根」です。
伝統でいうと寄棟よりは切り妻の方が格式は高く、それよりも高いのが入母屋とされています。
最も格式が高い屋根の形状で、京都の桂離宮などが有名です。
小さい切り妻の下に寄棟を合体させたような形状で、切り妻から続く屋根は途中で角度が変わることなく、軒先まで続きます。
どっしりとした日本家屋でよく見る屋根の形状ですが、その複雑さから雨じまい(あまじまい・雨が建物内に入らないようにする工夫)に手間がかかり、どうしても費用がかかります。
しかしながら、重厚な和風の家が欲しいときには検討したい屋根のひとつです。

 

 

これ以外にも前出の画像のように、まだ何種類かの屋根の形がありますが、代表的な屋根形状をピックアップしました。
エフ・ベースでは、OMソーラーを搭載しやすい、片流れ屋根、切妻屋根がメインとなりますが、
住宅街を歩くことがあれば、以上の名前を知ったうえで、屋根を見ながら歩くのもまた楽しいかと思います。

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