木製サッシと製作網戸、戸箱をつくりました
エフベースの鈴木徹也です。大型の木製サッシと、製作網戸、戸箱をつくりました。
アルミや樹脂のサッシより木製サッシはみばえがします。新築工事の着工前に社内で設計と工事の打合せをしますが、そのときに仕様を確認して驚きました。カッコ良くなるな、とすぐにわかったんですが、どうやってつくればいいのか考えこんでしまいました。単に木製サッシにするというだけで終わりではなく、それに製作の網戸を戸箱へ収納できるようにカモイ材、シキイ材の施工を考える必要があります。まわりの外壁も板張りなのでその割付けも重要でした。
施工図の作成
木製サッシを販売してくれるチャネルオリジナルの担当者の方とも打合せをしてから、製作依頼をします。サッシ単体の図面をもらい、それに網戸、戸箱の詳細寸法を決めて施工図にしました。基礎工事を始める前の時点ですべてを見通しておく必要がありました。
基礎工事
まずは基礎工事。開口の巾寸法を決めた箇所を厚くしてあります。
枠組みづくり
木製サッシを支える柱と土台をつくります。
取付け
木製サッシの現場に納品されました。わかっていたつもりだったんですが、朝、現場に来て見て、重さと大きさと梱包の頑丈さに驚愕しました。北海道からトラック輸送です。トラックからはユニックで降ろしましたが、ここからは人間の力で運びます。
ガラス部分の建具があまりにも重くて、私と大工さん達の3人では無理でした。別の仕事をしていた電気屋さん、資材の納品に来ていた建材屋さんの合計5人がかり慎重に運んで、枠にはめ込みました。精度を確認して、施工図と位置、納まりを照合して固定。防水や気密工事もします。
造作加工材の取付
カモイや縦枠の取付けをします。木製サッシのメーカーさんと相談して、将来のメンテナンスを考慮して、戸箱があっても縦枠を着脱できるようにすることで、木製サッシを外すことを可能としてます。縦枠の上部であえて継いであります。(完成後に遠目から気づいた人はいませんでした。)
サッシ廻りの枠
室内側のサッシ廻りの枠を取付けます。無垢の杉材を使っています。
戸箱の下地づくり
戸箱の下地をつくります。使う間柱は将来、内側へ反ることが無いように木目をよくみて選別しました。もし内側へ反ってしまうと建具の動きにこすれてしまうことがあり得ます。下部にはハニカム構造の通気部材を取り付けます。もし強風のときに水が入っても流れ落ちるようにしつつ、虫が入ってくるのを防ぎます。写真を撮り忘れてますが、戸箱で囲む前にシキイ材を板金で覆い、製作網戸用のステンレスレールを取付けています。
板貼り
外壁の板貼りは、お施主様がウッドロングエコの塗装をした杉材を押縁貼りにします。押縁材を真鍮製の丸頭のスクリュー釘で固定します。しかし、この戸箱の部分だけは釘ではなく、同じ真鍮製のビスで固定しました。ビスならば釘よりもきれいに抜くことができるので、もし将来メンテナンスが必要なときに板を外して戸箱の内側や、製作網戸、木製サッシを取り外すことも可能です。作ったあとでは普通は釘もビスもパッと見では気づく事はありませんが、お施主様は気づいてくれていました。よく見てくれていて嬉しかったです。
完成
完成です。木製サッシの単品だけでカッコいいのではなく、建物の外観の雰囲気に合っています。