全館空調

家のどこにいても快適で開放的な空間を実現したいから、エフ・ベースの住まいは「全館空調」が基本です。
(詳しい考え方はこちらで説明させていただいています)

エフ・ベースがよく使っている「全館空調」は2種類。
OMソーラー」と「パッシブエアコン」です。

そのそれぞれの仕組みを、以下に説明します。

OMソーラー

おひさまの力を活用した空調システム

家庭で消費するエネルギーのうち、約半分が暖房と給湯によるものです。
暖房や給湯で必要とする温度は20℃~40℃、この程度の温度であれば、わざわざ電気やガスを使わなくても太陽の熱で何とかなると考えたのがOMソーラーです。

OMソーラーは屋根にあたる太陽の熱で外気をあたため、その空気を小さなファンで床下に送ることで1階の床全体をあたためます。
床暖房の効果によって室内の上下間の温度差や、部屋間の温度差が小さくなり、開放的な大空間や吹き抜けでも快適に過ごせます。
また、太陽の熱と一緒に新鮮な外気を取り入れるため、暖房と同時に換気ができるのも大きな特徴です。

また、春から秋までは太陽の熱を利用して1日約300ℓのお湯を沸かすことができます。

OMソーラー

OMソーラー 【冬の昼間のしくみ】

冬は、屋根に降り注ぐ太陽の熱で空気を温め、それを床下に送り、基礎コンクリートに熱を蓄えます。蓄えた熱は、夕方以降ゆっくりと放熱して建物全体を床から温め、床暖房の効果を得ます。また、OMソーラーシステムが稼働している間は、常に新鮮な外気を室内に取り込んでいます。床暖房しながら換気ができるという点も、冬の働きの大きな特徴です。居室だけでなく、廊下や脱衣所など部屋間の温度差が少ない居心地の良い室内環境をつくります。

屋根で集熱

太陽があたり屋根面が熱くなると、新鮮な外気が軒先から屋根の通気層に入ってきます。この空気は太陽の熱で温められながら、秒速数cm~10数cm程度のゆっくりとした速度で昇っていき、ガラス付き集熱面でさらに温度を上げ、棟ダクトに集められます。地域や季節の条件によって違いますが、冬の快晴の日であれば、集熱温度は約60℃ほどにもなります。

ファンを使って熱い空気を床下に送る

棟ダクトに集めた熱い空気は、ハンドリングボックスを通って床下に送られます。
(自立運転型ハンドリングボックスは、ファンの動力に太陽光発電を利用します。)

床下のコンクリートに熱を貯める

立ち下りダクトを通して送られてきた熱い空気は、床下の空気層をゆっくりと流れ、蓄熱コンクリートを温めながら(コンクリートに熱を奪われながら)、少し冷めた暖気となって室内に流れ、床暖房の機能を果たします。このように、床暖房と換気を同時に行るという点もOMソーラーの特長です。

放熱する

太陽が沈んだ後、外気温の低下とともに、床下のコンクリートからゆっくり放熱が始まります。日中に貯めておいた太陽の熱を夜明けまで使おうという仕組みです。
これにより、昼と夜の室内温度差をやわらげることができます。

OMソーラー 【夏の昼間のしくみ】

降り注ぐ太陽光により熱せられた屋根の熱は室温に影響します。
これを防ぐため小屋裏の夏排気口から熱を排出します。この熱はただ排出するだけでなく、貯湯槽の水を温めることに利用できます。
暑さが厳しい場合は、窓を閉めてエアコンをつけ、室内の空気を循環させることで、家中を効率よく冷やすこともできます。

パッシブエアコン

パッシブデザインが快適性と省エネ性を両立する

床暖房や全館暖房はエネルギーを大量消費するのでは・・・。そんな思いを持っている方も多いでしょう。

しかし、元々パッシブデザインで建てられているパッシブエアコンの家は、一定に断熱や気密の性能を持ち、自然と応答することで快適さの基本性能を高めています。

それとともに、住まい手が暮らしに積極的に関わることで、快適性と省エネ性を高次元で両立します。

環境と応答する住まいは五感に気持ちいい

床暖房や全館暖房の快適さをパッシブエアコンだけに頼っていては本末転倒です。

春や秋など気持ちの良い季節は窓を開け放ち、夏や冬も風や陽射しを積極的に採り入れ、五感で心地よさを味わいたいものです。

パッシブエアコンはパッシブデザインの家で、パッシブな暮らしを支えるエアコンです。

住まいの温熱環境を科学する

快適さは床や壁の表面温度で決まる

そもそも心地よさや快適さはどうやって得られるのでしょうか。

一般的な快適さの指標として室温に注目しがちですが、私たちは床や壁の表面温度による体感を重視しています。
気流感や温度ムラを感じさせない放射環境が心地よさをもたらすからです。

パッシブエアコンと壁掛けエアコンの温まり方の違い

コンピューターによる精緻な気流や熱移動のシミュレーションで、ダクトで床下から暖気を送るパッシブエアコンと壁掛けエアコンそれぞれの場合で、熱量投入時における部屋中央付近の断面温度分布の解析を行いました。
温度を色で、気流の強さを矢印で表しています。

冬は足元から家中ぽかぽかヒートショックの心配も無用!

パッシブエアコンによる暖房の特徴は、暖かい空気が足元から全館へ流れること。屋内全体がムラなく温められるので、足元が冷えてしまうこともなく、部屋ごとの温度差によるヒートショックの心配もありません。

エアコンで温められた空気はダクトを通り床下へ送られ、床の吹き出し口から暖かい空気が室内に放出されるので足元ポカポカ

夏はサラリとした涼風で高原のような心地よさを実現

局所的な冷房でなく、冷たい空気を頭上から屋内へ均一に送ることで、最適な温熱環境を実現します。

夏は天井に設けられた吹き出し口から冷気が放出され、冷たい空気がゆっくり下へ移動します

掛川市で注文住宅の木の家ならエフ・ベース
有限会社 エフ・ベース