代表・丸山が語る「家の性能」
エフ・ベースの家づくりの性能について知っていただくために、代表・丸山が「家の性能」の考え方についてのインタビューにお答えしました。
「暮らし2.0」を支えるため、家に必要な性能とは・・・・・・
私たちの考え方を知っていただけたら嬉しいです。
基本的な考え方
——— 今日はエフ・ベースさんの家づくりの中の、耐震や温熱環境のことなど、性能面のお話を伺いたいと思っています。
まず最初に、そうした家づくりの技術とか性能的なことについての基本的な考え方を伺ってもいいでしょうか?
丸山 : 私たちの家づくりは「豊かな暮らしを創造すること」を大切にしています。
「豊かな暮らし」というのは、「GOOD-TIME PLACE」のような、家族や仲間たちとワイワイ楽しめる半外空間だったり、暮らし始めてからも住まい手さんがどんどん住まいをDIYでカスタマイズしていける楽しさだったり、私自身が楽しいことが大好きなので、そういった提案をどんどんしていきたいと思っています。
でも、そうしたことは、安心・安全に暮らせる「器」としての家がまずあってこそ成立するものですよね。
どんなにかっこよくても、どんなに楽しくても、基本的な性能に問題があって安心して暮らせない家には住みたいとは思いません。
だから、「家づくりのプロ」として、まずは「安心・安全」な家をつくることを大切にしています。
そうして基本的性能をバッチリにした上で、それだけにとどまらないこんな楽しさもある家だよ、と言えるようにしたいと思ってます。
構造・耐震について
——— なるほど、豊かな暮らしを楽しんでもらうためには、その前提として「安心・安全」が必要、ということですね。
それでは具体的に伺っていきたいのですが、まず、家の構造や耐震性能についてはどのように考えていますか?
丸山 : 静岡は「南海トラフ地震」が懸念されていることもあり、耐震は特に気を使っています。
耐震性能は、「耐震等級3」を標準にしていて、構造計算も「許容応力度計算」という一般的な「壁量計算」よりも信頼性の高い計算法で行っています。
やはり万が一のことを考えると、「できることは可能な限りやっておきたい」と思います。
また、そうした性能を、室内に必要な柱が大黒柱1〜2本のみである「木造ドミノ工法」を基本にして実現しているので、とても「開放的な空間」であることも私たちの家の特徴です。
室内に柱や壁が少なくても頑丈な構造につくることで、家族構成や暮らし方の変化にあわせて、そのつど間仕切り壁を楽に増設・撤去できるようにしてあります。
そうすることで、例えば「子どもが生まれた」とか「子どもが大きくなって個室が欲しくなった」とか「子どもが巣立っていった」等々の家族の生活の変化に合わせて空間の仕切り方を柔軟に変えながら、いつまでも暮らしを楽しめる家になるんです。
空気と熱をデザインする
——— 「丈夫な構造でありながら開放的な家」というのは魅力的な考え方ですね。
それでは次に、温熱環境や冷暖房についての考え方を教えていただけますか?
いま伺った「間仕切り壁が少ない開放的な構造」ということにも関係してきそうです。
丸山 : 温熱環境を整えるために、まずはやはり断熱・気密がしっかりした躯体をつくることが大切です。
断熱・気密性能をしっかりと客観的な数値で確認するために、私たちは断熱材の施工後、「気密測定」(住宅の隙間の大きさがどれくらいあるかを計測する測定)を行っています。
そうやって断熱・気密をしっかりとしたうえで、大切にしたいのが「快適」と「健康」ということ。
この2つを軸に考えると、本当に良い選択ができると思うからです。
そして、熱と空気の環境で、「快適さ」と「健康」にとって本当に大切なのは、「室内の温度ムラが少ない」「室内の空気がいつも新鮮である」ということです。
冬場、一つの部屋だけを暖かくしても、トイレやお風呂が寒いと急激な温度差でヒートショックが起きやすいことは皆さんよくご存知だと思います。だから家の中全体で温度ムラが少ないのがいい。言い換えると、家中が快適な温度に保たれる仕組みがいいというのがまず一つ。
それと、断熱・気密を頑張れば家中を快適な温度にすることはある程度できるんですが、そうすると今度は家の中の空気が淀みやすいということがあります。これは健康的とは言えない。だからその点にも配慮して、外の新鮮な空気をうまく取り込みながら快適な温度を保つということが必要になります。
こうしたことを考えると、室内のどこか1箇所の温度を測って、22度だからOKだねというような単純なことではないということがわかると思います。「家全体の空気と熱をデザイン」することが大切なんです。
また、OMXやパッシブエアコンの利点として、その建設地の気象や日照の条件、周囲の建物の状況、建物の方位、プラン、仕様等の条件を入力することで、建物の日当たりや、24時間の室温の変化や風の通り方、太陽光発電を搭載する場合はその収支や光熱費等々をあらかじめシミュレーションできるんです。
「何月何日の何時頃は、窓からどういう風に光が差し込んでいて、室温は何度くらいになるか」というようなことが、かなり正確に予測できます。
これは他の空調システムではなかなかできないことだと思います。
こうしたことが、お客さんからの家の性能に対する安心や信頼につながればいいなと考えています。
猛暑にどう対処するか?
——— ありがとうございます。家の中全体の空気を快適にすることの大切さがよくわかりました。
室内の温熱環境というと、最近は夏の暑さも年々過酷になっていますが、家づくりに影響はありますか?
最近の暑さは本当にすごいですよね。だんだん気候が亜熱帯化しているように感じます。
特に今年(2020年)夏の暑さは凄くて、私が知っている会社さんの家でも、室内のエアコンの温度と外気の温度差で壁内や屋根裏で結露が大量に起きて大変だった話を聞きました。
室内がものすごく暑くなったところで急激に冷やすと大量の結露が起きやすいことを考えると、24時間室内の空気を快適な温度に保ち続ける私たちの家の仕組みは結露対策の面でも有利だと思っています。
夏の暑さは今後も更にひどくなっていくかもしれません。
それを見越して、空気中の水分をより効率的に家の外に排出するための高性能な建材なども積極的に採り入れていくために情報収集しています。
シロアリ対策について
——— シロアリ対策のことも気になりますが、どんな対策を取られていますか?
まず、シロアリ対策として、基礎はベタ基礎の「一発打ち(通常2回に分けて行うコンクリートの打設を1回で行うやり方)」を標準にしています。
一発打ちの基礎は土台と立ち上がりの繋ぎ目の隙間が無いので、シロアリが床下に入ってこれません。
また万が一の河川の氾濫などが起きた際も、水が床下に入ってきにくくなります。
シロアリ対策に話を戻すと、更に床下コンクリート内には「アンダープロテクト(旧名:ヘルスコキュアー)」という炭を主材料にした安全なシロアリ対策の防蟻・防腐剤を塗っています。
そして基礎の上1mの土台や柱などの木材にはシロアリ対策に抜群の効果がある「ホウ酸」を塗布しています。
「ホウ酸」の防蟻効果は水で洗い流さない限り半永久的に効果が続くので安心です。
こうした対策を取っているので、エフ・ベースの家でシロアリの問題が起きたことはこれまで一回もないです。
住まい手の方に気をつけていただきたいのは、家の周りに物を建物に立てかけるように置いてしまうと、それをつたってシロアリが建物に侵入してしまう可能性があるということ。
その点は気をつけていただきたいです。
——— 今日は、色々とお聞かせいただき、ありがとうございました。
最後に、これから家をつくられる方にメッセージはありますか?
家づくりには本当に様々な考え方や方法があります。
だからこそ、価値観や考え方が合い、安心して任せられると感じられるつくり手を見つけることが一番大切なことだと思います。
私たちも、そうやって信頼していただけるお客様と、「安心・安全」で「暮らしを楽しめる家」をつくっていきたいです!
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