掛川の街を盛り上げる人たち
No.6 田井 幹夫さん(アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所/静岡理工科大学 准教授)
「掛川の街を元気にしたい!」・・・・この目標をエフ・ベースとともに目指す地域の“仲間たち”を紹介させていただく「掛川の街を盛り上げる人たち」。
第6回目は、エフ・ベース代表・丸山が理事を務める「かけがわランド・バンク」の様々なプロジェクトに協力をいただいている、静岡理工科大学理工学部建築学科の田井幹夫先生にお話を伺いました。
———はじめに田井先生の経歴を伺ってもいいですか?
高校生の頃から建築家に憧れていて、地元横浜の大学の建築学科に入学しました。アバンギャルドな考え方の先生のもとで、既成概念を疑い、社会に対しての建築の存在意義を問うような建築について学びました。ただデザインを考えるのではなく、例えば住宅だったら、未来の暮らしはどんなものかをイメージし、そうしたアイデアが組み込まれた提案をするべきだという風な。
卒業する時はちょうどバブルの終わり頃で、その頃は海外に留学する人が多かったんですが、私もオランダに2年ほど行きました。向こうは建築を日本より大きな枠組みで見ることが多いんです。社会の中で建築がどう機能するかということをより俯瞰的に見るようになりましたね。
——— それから就職されたのですか。
その後、内藤廣さんの設計事務所で5年ほど働きました。
様々な施設から住宅まで幅広く仕事が出来たので、大学とオランダで学んで得た知見を深めることが出来ました。
——— その後独立されたのですか?
はい。建築家が先生と呼ばれるのが好きじゃなくて「気軽に人が集う茶飲み場みたいな場所にしたい」という想いを込めて「アーキテクトカフェ」という名前で事務所を立ち上げました。
最初は食えなくてアルバイトもしていましたよ。そのうち仕事も安定してきて、非常勤講師の話をいただくようになりました。
先生をやってきて感じているのは設計と教育って同じ価値があるなってことです。私自身が設計するのと、教えることを通してアイデアを分かち合った学生達がこれから設計をしていくのと、どちらも少しでも社会に貢献出来る価値を生み出していくことに変わりはありませんから。
——— 静岡理工科大学に来られてからは、エフ・ベース代表の丸山が理事長を務める「かけがわランド・バンク」との協働で様々なプロジェクトをされていますね。
静岡理工科大学には7年前に着任して掛川と横浜との2拠点生活になりました。お互いを対比できるのでいつも新鮮な視点を持てますね。
丸山さんとはすごく気が合うので建築や家具デザインなどで掛川の街を盛り上げるためのプロジェクトをいくつもコラボさせてもらってますが、学生達が自分ごととして取り組みながら地域と建築の関わりの大切さを地元の人達と交流しながら学ぶことが出来ていて、本当に感謝しています。