エフ・ベースが大切にする「3つの性能」
「丈夫で長持ちする快適な家」をつくる
日本で取り壊される住宅の築後経過年数は平均で約30年と、イギリスの約77年、アメリカの約55年に比べるととても短いというデータがあります。
日本の住宅が30年程度で取り壊されてしまうのは、古くなった家に「夏暑く、冬寒い」「あちこち傷んでいる」などの問題が出てきて、「修理に多大な手間と費用をかけるよりは壊してしまおう」となってしまうからです。
このような事実を考えると、これから家づくりをするなら「丈夫で長持ちする快適な家」をつくることが大切です。
そうすれば「長く大切に住み続けたい」と思える家になるでしょう。
私たちは、そのためには「耐震」「断熱」「高耐久」を大切に考えることが必要だと考えています。
「耐震・断熱・高耐久」を大切にした方がいい理由
「耐震・断熱・高耐久」を大切にしていない家 | 「耐震・断熱・高耐久」を大切にした家 | |
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建築費 | 安くなる傾向 (材料費が安く、工事の手間がかかない) |
高くなる傾向 (材料費が高く、工事の手間がかかる) |
大地震で倒壊する可能性 | 倒壊しやすい | 倒壊しにくい |
光熱費 | 高くなることが多い | 安くなることが多い |
室温 | 空調が効いている部屋以外は不快になりがち | 家じゅうどこにいても快適 |
メンテナンス費用 | 高くなることが多い | 安くなることが多い |
建築費だけで比較すると、「耐震・断熱・高耐久」を大切にした家はどうしても高くなりがちです。
しかし、「耐震・断熱・高耐久」を大切にしていない家よりもトータルの光熱費が数百万円安く済むとしたらどうでしょう。
そして何より、「暑さ・寒さ」や「結露によるカビ」などの悩みから解放されて快適に過ごせることの価値はお金には変えられないものがあります。
このような理由からエフ・ベースでは、家のサイズをできるだけコンパクトにすることでなるべく予算を抑えながら、「丈夫で長持ちする快適な家」をつくることをお勧めしています。
耐震
耐震等級について
耐震等級は「住宅性能表示制度」の中の基準で、地震が起きた時に建物がどれくらい耐えられるかについて、等級1~3の数字で示したものです。
第三者機関が設計や工事をチェックして、耐震等級や耐火等級などが「住宅性能評価書」に記載されるので、会社によって構造や工法が違うなかで建物の性能をわかりやすく示してくれるものだといえます。
耐震等級1は、「極めて稀に発生する大地震による力に対して倒壊・崩壊しない程度」の耐震性を意味します。
「極めて稀に発生する地震」とは、数百年に1回程度の頻度で発生する「震度6強~7」の大規模地震のことで、1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震などが当てはまります。
耐震等級1の、1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度の水準です。
災害時の避難所として指定される学校などの公共施設は、耐震等級2以上の強度を持つことが必須です。
等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられるだけの性能・耐震強度水準です。
災害時の救護・復興の拠点となる消防署・警察署は、多くが耐震等級3で建設されています。
震度7の揺れが立て続けに2回起こった熊本地震では、1度目は耐えたが2度目の地震で倒壊した住宅も多数あった中、等級3の住宅は2度の震度7に耐えていたことが、専門家の調査によって明らかになっています。
「壁量計算」と「許容応力度計算」
前述の「耐震等級」を取得するためには「構造計算」が必要になります。
そしてこの「構造計算」には「壁量計算」と「許容応力度計算」があります。
「壁量計算」とは、地震や台風に対して有効な耐力壁や壁の量や配置などを簡易的な計算で確かめる計算です。
簡易的な方法なので、間取りの横軸、縦軸で耐力壁が十分かどうか壁の量を検討するのみで、基礎、柱、梁、床、屋根、バランス等は全く考慮されていません。
それに対し、「許容応力度計算」は、「壁量計算」より細かく項目ごとに厳密に計算する方法です。
荷重や地震に対して柱や梁などが十分に耐えられるかどうか、以下の項目を詳細に計算していきます。
- 壁量計算
- 壁の配置バランス
- 水平構面
- 柱頭柱脚の接合方法
- 柱や梁、横架材など部材検討
- 基礎設計
- 地盤調査
- 地盤補強工事
日本では2階建てまでの住宅を建てる際、構造計算を免除できることになっていますが、大地震が起こる可能性が伝えられる今、もし家を建てるなら可能な限りきちんとした構造計算をしたいと思う人が多いのではないでしょうか?
断熱
HEAT20とは
「HEAT20」とは、住宅の断熱に関する新しい基準のことです。
より住みやすい断熱性能を備えた家づくりを目指して2009年に発足した団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が定める基準のことを、この団体の英語名の頭文字から取って「HEAT20」と呼ぶようになりました。
各地域において冬の体感温度を10℃~15℃以上に保ち、暖房機器によって利用されるエネルギー量を削減し、優れた省エネ住宅を目指す推奨基準です。
HEAT20の3つのグレード
HEAT20はG1・G2・G3の3つのグレードに分かれています。
G1が最も易しい基準で、数字が大きくなるにつれて厳しい基準が設けられています。
基準は各グレードと地域区分別に決まっているのですが、わかりやすいように、以下の表では静岡県のある「6地域」のみの基準を紹介します。
6地域(静岡県が含まれる地域)での条件 | |
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冬期間の最低体感温度 | 概ね10℃を下回らない |
体感温度が15℃未満となる割合 | 20%程度 |
暖房負荷削減率 | 約30%削減 |
6地域(静岡県が含まれる地域)での条件 | |
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冬期間の最低体感温度 | 概ね13℃を下回らない |
体感温度が15℃未満となる割合 | 15%程度 |
暖房負荷削減率 | 約50%削減 |
6地域(静岡県が含まれる地域)での条件 | |
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冬期間の最低体感温度 | 概ね15℃を下回らない |
体感温度が15℃未満となる割合 | 2%程度 |
暖房負荷削減率 | 約75%削減 |
気密も大切 〜C値ってなに?〜
C値とは、計算床面積1㎡あたりの建物外皮の隙間の量を示す値です。
C値が小さいほど隙間の面積が小さくなり、高気密になります。
隙間の程度は現場の施工精度によって決まるので、C値を知るには建設後に気密測定器により計測する必要があります。
床面積120㎡の家の隙間面積合計のイメージ
昔の住宅では、C値は10程度が一般的でした。
これは半径20cmもの大きな孔が空いているのと同じで、室内外を1時間に出入りする漏気の量は、家全体の体積の2/3にもなります。
現在の一般的な住宅では、C値は5程度ですが、気密性が十分高いとはいえません。
隙間を減らしC値を小さくすれば、漏気の量も十分少なくなります。
省エネと快適性を実現するために、これからの家はC値1レベルの高気密住宅である必要があると考えます。
断熱・気密に関してのエフベースの考え
断熱については色々な考え方がありますが、G2をG3にするのに150万円〜の追加予算がかかることを考えると、比較的温暖な静岡県ではコストと性能のバランスからG3までは頑張らない「G2.5」くらいを目指すのが最も良いと考えています。
C値は、材料を厳選し丁寧な施工を心がけることで「0.5以下」を必ず実現するようにしています。
(工事中に必ずC値の試験を行い、実現できているか確かめています)
エフ・ベースの住宅は原則として「パッシブエアコン」や「OMX」などの「全館空調システム」の導入を前提にしており、「G2.5レベルの断熱+C値0.5以下」が実現できていれば年間を通じて本当に快適な室内環境が実現できます。
高耐久
「高耐久な家」をつくるために大切なこと
家の材料は全てにおいて吟味して適切なものを使用する必要があります。
ここでは特に、壁の中に結露が起きる「壁体内結露」への充分な対策をするための建材選びのことについて、外壁に使う「防水シート」や壁の中の「断熱材」、それを覆う内壁側の「気密シート」を紹介します。
「防水シート」は壁の中に雨水や湿気を侵入させない、また熱や紫外線から躯体を守るという大切な役割を持っています。
エフ・ベースではこの「防水シート」にダウ社の『ウエザーメイト・プラス』を使用しています。
『ウエザーメイト・プラス』は防水性・気密性に優れ、シートを留めるタッカー針や釘穴から雨水が侵入したとしてもそれを吸水し時間と共に排出させる透水性が大変優秀です。
また長い間性能を発揮してもらう必要があるものですから「耐久性が高いこと」も非常に重要なポイント。
エフ・ベースでは国産製品を含めて現状ではこの製品が一番「丈夫で長持ち」であると判断しています。
「断熱材」は家の断熱性能に直結する大切な素材です。
エフ・ベースでは「アクリア」という製品を使用しています。
「アクリア」は高性能グラスウール。
従来品に比べて非常に細かいガラス繊維になっていて高い断熱性能を持っています。
さらに、
- 燃えにくく、万が一の火災の時にも煙や有害ガスを発生しにくいこと
- 腐ったり虫が食べたりしないこと
- 吸音性に優れていること
も嬉しい特徴です。
壁の中に湿気を溜めないことは建物を長持ちさせる上で非常に重要なポイントです。
怖いのは家の外と中の温度差によって壁の中に生じる「壁体内結露」。
壁の中が知らないうちにビショビショになっていてカビだらけになっていた・・・なんてことがあると、建物はもちろん家族の健康にも大変な悪影響を及ぼします。
エフ・ベースが採用している気密シート「メンブレン」は、冬場はシート表面の表層細孔が閉じて家の中の湿度を壁の中に通さず、夏場は逆に細孔が開き壁の中の湿気を室内に逃すという「壁体内に湿気を溜めない」ための機能が大変優れた製品です。
いい材料を厳選することはもちろん、その材料を丁寧に施工することも同じくらい大切です。
施工がいい加減だと、耐震も断熱も気密も、設計図面から期待される性能は発揮されません。
エフ・ベースでは、住宅の着工前、完了検査、基礎の鉄筋検査、構造の金物検査など、節目ごとに第三者機関による施工品質の検査を行っています。
このような検査は、長く安心して暮らしていただくために大切なことだと考えています。
どんな家でも、暮らしながらメンテナンスしていく必要がありますので、将来、どんな風にお手入れしていくかをあらかじめ考えておくことが大切です。
例えば、「交換が必要になった時に、いつでも手に入る材料かどうか」は重要です。エフ・ベースでは玄関周りの外壁によく無垢の木の板を使いますが、木の板であれば、将来的にいつでも手に入るので安心できます。
また初期費用が高くなっても将来的にメンテナンスが不要な材料であれば、トータルで見ると安くなる場合もあります。
そうした理由から、エフ・ベースでは外壁の仕上げにメンテナンスフリーの左官材「そとん壁」をよく使っています。
最初は少し高価になったとしても、なるべく高品質なものを使うことはを家を長持ちさせる上で大切なこと。
コストと性能のちょうど良いバランスを見極めながら、「丈夫で長持ちする快適な家」を目指したいと考えています。